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膝痛の原因となるいろいろな病気についてふたば鍼灸院(大阪市の鍼灸院)

カテゴリー: 医学知識 

膝関節の痛みを起こす病気

膝に起こる痛みはさまざまな原因によって起こります。

よく診られる骨の変形として起こる変形性膝関節症や、リウマチや通風などでも膝痛は起こります。

さらにほかにもたくさんの病気が原因となって痛みが発生します。軽い痛みだから大丈夫だというわけでもないので、一度検査を受けてみるのもいいでしょう。

変形性膝関節症

変形性膝関節症は、中高年の膝の痛みの原因として最も多い病気です。痛みなどの自覚症状を持つ患者数は、推定で800万人と言われています。症状はないもののエックス線検査で膝に異常が見られる人は約2500万人とされています。

女性の患者が多く、50歳を超えると急激に増加します。脊柱管狭窄症や骨粗鬆症とともに、「寝たきり」や「要介護」状態を起こす三大要因のひとつとされています。

肥満に注意

現在のところ、変形性膝関節症は、さまざまな危険因子が重なって発症すると考えられています。

一番の要因は加齢です。加齢変化によって関節軟骨や半月板がすり減り、しだいに膝関節が変形していくからです。そういう意味では、誰もが発症する可能性がある病気と言えます。そのほか、肥満も膝関節に大きな負担がかかるため、重要な危険因子とされます。

また、靭帯損傷などの外傷や、関節リウマチなどの病気が引き金となって起こることもありますが、その割合は10%以下とされています。加齢変化や肥満が要因となって起こる変形性膝関節症が、じわじわと進行するのに対し、比較的短期間に症状が現れ、進行が速いのが特徴です若い30~40歳代の人にも発症します。

起こりやすい部位

大腿骨と脛骨の間に起こるタイプと、膝蓋骨(お皿)と大腿骨の間に起こるタイプがあります。これらが単独、または合併して発症します。

前者のタイプには、膝の内側に関節軟骨の摩耗が起こる「内側型」と、外側に起こる「外側型」があります。日本人にはO脚の人が多く、膝の内側に重心がかかりすぎるため、大多数の人が内側型です。

両ひざに発症することも

片側の膝だけに発症する場合や、最初は片側から始まってしだいに両脚が痛くなる場合もあります。両膝の場合は、痛みの程度に差があることも多いです。どちらの膝が悪くとも、歩き方が悪くなり反対の膝も痛くなったり、お互いが悪化するということもよくあります。そのため、治療は両膝とも行うことが大切です。

関節リウマチ

関節リウマチの原因はまだ不明ですが、現在のところ、免疫の異常によって起こると考えられています。本来は、体の外から入ってくる異物(細菌、ウイルス、花粉など)を攻撃して体を守る免疫が、何らかの理由で狂いが生じて、自分の体の一部を攻撃してしまう「自己免疫疾患」です。関節の滑膜組織が攻撃されて炎症が起こり、徐々に関節が破壊されてしまいます。

主な症状は、朝のこわばり(手指がはれぼったい、動かしにくい感じ)と全身の関節の痛みや腫れです。そのほか、貧血、発熱、倦怠感、体重減少、食欲不振、皮下結節(しこり)、肺・目・血管の炎症などの全身症状も現れることがあります。

関節リウマチの治療法は大きく進歩しています。とくに薬物療法が変わってきました。抗リウマチ薬、生物学的製剤の登場で、かつては不治の病と言われた関節リウマチも改善する人が出るようになっています。

治療の目的は、関節の炎症を抑えて関節破壊の進行を防ぐこと。そして、生活の質(QOL)をできるだけ高く保つことです。

治療としては「基本療法」「薬物療法」「手術療法」「鍼灸治療」「リハビリテーション」が行われます。基本療法とは、患者さん自身の毎日の生活について指導するもので、関節リウマチについての正しい知識を身につけて、以後の治療期間に備えられるように準備することです。

薬物療法は、関節の破壊は発症2年以内に最も進行するため、極力早期に病気を発見し、適切な治療を開始することが何よりも大切になります。破壊されてからでは治らないため、最初の2年間をいかに抑えるかということが重要になるわけです。

化膿性関節炎

細菌の感染によって、関節内が化膿して急性の関節炎が起こる病気です。原因となる細菌は、黄色ブドウ球菌が最も多く、そのほか連鎖球菌、肺炎球菌などがあります。感染経路には、ほかの感染巣から血液を介して移動、関節の外傷、手術や関節注射の傷からの侵入などが考えられます。

全身のどの関節にも発症しますが、膝関節に最も多く起こります。その理由の一つとして、変形性膝関節症などで行われた不適切な関節注射があるとされています。

この病気は、糖尿病や関節リウマチなどがあったり、ステロイド薬、免疫抑制薬などを使用している人が、感染に対する抵抗力が落ちているため、かかりやすく、また治りにくい傾向があります。

放置すると

症状は、第一に関節の痛みや熱感、発赤(赤くなること)で、多くは急速に痛みが強くなります。また、発熱、震え、食欲不振、倦怠感などの全身症状が現れることも少なくありませんん。

痛みがあまり強くないからと言って放置したり、発見が遅れてしまうと、関節内に水や膿がたまって膝が腫れてきます。さらには、関節軟骨や骨が破壊されて、関節が変形して動きが鈍くなったり、骨と骨がつながって全く動かなくなってしまうことがあります。

治療法

治療法としては、まず保存療法で対処します。患部を冷やし、抗生物質の点滴を行って細菌の死滅を目指します。関節内に膿がたまっている場合は、注射器で膿を吸引し、取り除きます。

それでも効果がなく、炎症が続く場合は手術を行います。関節を切開して、炎症で傷んだ部分を切除し、なかにたまっている膿を洗い流します。手術後は海を排出するために、必要に応じて、関節内を一定期間洗浄する閉鎖性持続かん流療法を行うこともあります。関節破壊が著しい場合は関節固定術や、感染が治まったあとに人工関節置換術などが検討されます。

大腿骨顆部骨壊死

大腿骨顆部とは、膝のすぐ上の大腿骨が大きくなっているところで、ここの骨の組織が死んでしまう病気です。骨の内側(体の中心側)に起こりやすく、60歳以上の女性に多く発症します。

現在のところ原因は不明ですが、大腿骨への血流障害や、骨粗鬆症によって起こる軽微な骨折などが関与していると考えられています。また、ステロイド薬を長期間使用した場合などに、その合併症として起こることも少なくありません。

突然に激しく痛みだす

突然、激しい膝の痛みが現れるのが特徴です。歩いているとき、特に体重が強くかかった時に痛みが現れ、進行すると寝ている時も痛むことがあります。

骨壊死の範囲が小さい場合は、痛みは次第に軽くなって改善することもありますが、通常は進行ととともにさらに痛みが強くなります。関節の周辺が腫れて膝に水が溜まり(関節水症)、関節の動きが悪くなって歩き続けることが困難になります。

この病気は、発症後1~2か月の間はエックス線画像では変化が見られないため、初期症状(突然の激しい膝の痛みなど)がない場合は、変形性膝関節症と区別できないことがあります。

保存療法

骨壊死の範囲が小さいときは保存療法がおこなわれます。足底板や杖などの使用、薬物療法、鍼灸治療、運動療法(大腿四頭筋の訓練など)によて症状の軽減を図ります。

骨の破壊が進行して痛みが軽快しない場合は、患部にかかる負荷を減らす高位脛骨骨切り術を行います。また、進行して変形性膝関節症にいたると、人工関節置換術が行われることもあります。

痛風

尿酸とは、細胞の核に含まれる核酸の成分の一つであるプリン体が、体内で分解されてできる最終産物です。血液中の尿酸の基準値は7mg/dl以下です。これ以上高い状態(高尿酸血症)が続くと、尿酸が結晶化して関節に沈着します。それが剥がれ落ちたりすると、白血球がその結晶を取り除こうとして攻撃して関節内に炎症が起きます。これが「痛風」です。

炎症は足の指や足首、膝などの1か所の関節に起こり、特に初めての痛風発作の約70%が足の親指の付け根の関節に現れます。90%以上が男性で、特に中年以降の年代に多く発症しますが、最近では20~30歳代の若い人にも増加しています。

発作的な激痛

痛風の第一の症状は発作的に現れる激しい痛みで、歩行困難になることも少なくありません。発作が起こる前には、チクチクする、腫れ、発赤(赤くなること)、熱感などの前兆があることが多く、発作は通常、24時間以内にピークを迎え、7~10日ほどでおさまって、その後は無症状になります。

尿酸値を基準値以下にコントロールしないと発作を繰り返すようになり、症状が悪化するばかりでなく、腎臓などの内臓が侵されることもあります。

尿酸値のコントロール

治療法は、痛風発作の前兆が起こったら、コルヒチンを服用して発作を予防します。発作時の痛みには非ステロイド消炎鎮痛薬を服用し、痛みが強い場合は、ステロイド薬の服用または関節注射を行うこともあります。発作が起きたら安静にして患部を冷やし、禁酒が必要です。

発作が治まったら、尿酸産生阻害薬や尿酸排泄促進薬で、尿酸値が基準値以下になるようにコントロールします。また、高尿酸血症は生活習慣病の人とですから、生活習慣の改善も重要です。肥満の解消、アルコールやプリン体を多く含む食品(おもに動物性食品)を控えめにして、野菜や海草を十分にとります。運動も大切です。

また、高尿酸血症は尿酸結石症を合併しやすいので、1日の尿の量が2000ml以上になるように十分に水分をとることも必要です。

偽通風

偽通風は、ピロリン酸カルシウム(CPPD)の結晶が原因で起こる病気です。ピロリン酸は、肝臓や軟骨などさまざまな細胞で作られる物質です。何らかの原因でピロリン酸の産出が増加すると、軟骨内部でカルシウムと結合してCPPDの結晶を作り、沈着します。この血症が剥がれ落ちたりすると、白血球がそれを取り除こうと攻撃し、関節に炎症が起こります。

原因は不明ですが、60歳以降の人に多くみられるため、加齢による軟骨の変化などが関係していると考えられています。痛風とは異なり、男女差はほとんどありません。膝の関節に特に多く発症し、しばしば変形性膝関節症を合併しています。

6つのタイプ

偽通風には、大きく分けて6つのタイプがあります。A型(偽通風発作型)、B型(偽通風関節リウマチ型)、C型・D型(偽通風変形性関節症型)、E型(無症状型)、F型(偽性神経障害性関節症型)、その他の型です。

A型の偽通風発作型は、急性、亜急性の関節炎が繰り返し起こります。膝関節に最も多く、そのほか手、肘、脚などの関節にも発症することがあります。過労や外傷、手術などが契機となって発症し、関節の痛い(軽度から激痛まで)や腫れ、発赤、熱感のほか、発熱やめまい、体重減少などの全身症状を伴うこともあります。症状は数日から長いときは1カ月以上続くこともあります。

C型・D型の偽性変形性関節症型も膝関節に多く発症します。徐々に進行する慢性の関節炎で、C型は急性発作を伴うタイプで、D型は急性発作を伴わないタイプです。

保存療法

薬で結晶を取り除く方法がないため、保存療法が中心になります。安静にして患部を冷やし、非ステロイド消炎鎮痛薬を飲んで痛みを和らげます。鍼灸治療も行っていきます。症状が激しいときや、発熱などの全身症状が現れた場合は、ステロイド薬を飲むこともあります。必要に応じて、ステロイド薬やヒアルロン酸を関節内に注射することもあります。

関節が破壊されている場合は、人工関節置換術なども検討されます。

神経病性関節症

さまざまな病気によって、関節周囲の感覚(痛覚など)が障害されて、関節が変形破壊されてしまう病気です。関節に痛みがあれば動かさないようにして対処できますが、痛みを感じにくいために病気に気づきにくく、関節に過度の負担かかかり続け、関節の破壊が進行してしまうことがあります。この病気を最初に報告した人の名をとって「シャルコー関節」と呼んだり、神経障害性関節症とも呼ばれます。

原因となる病気には、糖尿病性神経障害、脊髄ろう、脊髄空洞症、脊髄損傷、アルコール依存症やビタミン欠乏症による末梢神経炎などがあります。脊髄ろうとは、梅毒によって脊髄の神経に障害が起こる病気です。脊髄空洞症は、脊髄の中に脳脊髄液のたまった空洞ができる病気です。

膝関節に最も多く発症し、膝が腫れ、多量の関節液が溜まりますが、痛みはないか、ごく軽度です。

関節の変形を防ぐためには、原因となっている病気の治療とともに、膝を固定する装具を用いて保護します。また、必要に応じて関節固定術や人工関節置換術が行われることもあります。

結核性関節炎

結核菌が血流にのって関節に運ばれて感染し、炎症を起こす病気です。膝関節、股関節に多く、ほとんどが一つの関節にだけ発症します。糖尿病の人や高齢者などはこの病気にかかりやすく、また治りにくいとされています。

膝関節に発症した場合は、多くは初めに軽度の痛みが現れますが、関節の腫れだけの場合もあります。発赤(赤くなること)や熱感はほとんど見られず、微熱や体重減少などの全身症状が、関節症状の前に現れることがあります。進行すると、関節内に膿がたまり、時に皮膚に孔が開き、体外にでてくることもあります。

治療は、結核に対しては結核菌、関節炎に対しては滑膜切除と持続洗浄が行われます。痰に結核菌が混じっている場合は、結核病棟への入院が必要です。骨の破壊がひどい場合は、関節を固定する手術が検討されます。

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