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更年期障害ふたば鍼灸院(大阪市の鍼灸院)

人の体は常に古いものを破壊して新しいものを作りながらも、それまでと同じような状態を保つ働きを保つことができるようになっています。この「人体の恒常性」を保つために働いているのが「ホルモン」です。

もしもホルモンの分泌などに異常が生じて、ホルモンバランスが乱れてしまうとさまざまな症状が体に現れます。とくに更年期はホルモンバランスに乱れが生じやすく、体の不調が現れやすくなります。更年期障害ではいろいろな症状に悩まされてしまいますので、しっかりと治療を行うことが大切です。

更年期障害とは

「更年期」とは、女性の閉経の時期をはさんだ前後数年ずつの約10年間を指します。この時期に心身に様々な不調が現れることがあり、これを「更年期障害」といいます。

更年期は女性なら誰にでも訪れますが、すべての人に更年期障害が起こるわけではありません。また、症状によっては外見からは分かりにくく、つらい症状があっても、家族に相談できなかったり、理解されなかったりして、悩んでいる人も少なくありません。

更年期の最初の兆候は、多くの場合、月経の変化です。月経の周期が乱れ、間隔が長くなったり、短くなったりします。出血の量が多くなったり、少なくなったりすることもあります。月経の乱れが現れると、更年期が始まっている可能性が高まります。

女性ホルモンの分泌は加齢によって変化します。更年期障害は「エストロゲン」という女性ホルモンの分泌が急激に減少して、体内のホルモンバランスが崩れることが原因で起こります。

更年期障害のホルモン変化

更年期障害の症状

女性ホルモンは全身の組織に影響を及ぼしており、ストレスから体を守る作用もあります。更年期になって女性ホルモンが減少すると、心身にさまざまな症状が現れてきます。

体の症状

もっとも特徴的なものは、ほてりや発汗などの「ホットフラッシュ」と呼ばれる症状です。気温に関係なく、急に体や顔が暑くなったり、汗をかいたりします。

心の症状

「落ち込み」「憂うつ」「無気力」「イライラ」「不安感」「不眠」「集中力の低下」などがあります。親の介護、子供の独立など、環境の変化をきっかけに現れる傾向があります。

現れる症状は、常に同じではなく、強さの程度も日によって異なります。症状が最も強く現れる時期は平均2~3年、長い場合でも5年ほどです。エストロゲンが少ない状態に体が慣れてくると、症状は自然に治まります。

更年期障害の症状

検査と診断

問診では、いつごろから、どのような症状が現れたかを詳しく効きます。月経の状態や、現在あるいは過去に心臓の病気、婦人科の病気、精神科の病気、内分泌系の病気などがあるかどうかも確認します。血液検査で、ホルモンの濃度なども確認します。

検査の結果、「卵胞刺激ホルモン」は多く分泌されているのにエストロゲンの分泌が低下しており、ほかの病気が無いことが確認されると更年期障害と診断されます。

西洋医学的治療

更年期障害のつらい症状を和らげる効果的な治療の1つが「ホルモン補充療法」です。女性ホルモンの減少で起こる体の様々な異常の改善も期待できます。

ホルモン補充療法の方法

女性ホルモンを40歳前後の平均的な濃度まで補い、症状が現れないようにします。

エストロゲンの補充が目的ですが、エストロゲンだけを長期間補充すると、異常に増殖した子宮内膜ががん化して、「子宮体がん」を発症する危険性があります。これを防ぐために、「プロゲステロン」という別の種類の女性ホルモンも一緒に補います。

ホルモン補充療法の効果

最も効果が見られるのは、ホットフラッシュの改善です。身体症状や精神症状にも一定の効果が見られます。エストロゲンの減少で起こりやすくなる「膣の乾燥」も改善され、「骨粗鬆症」や「動脈硬化」の予防にも役立ちます。

治療開始後1か月ほどで症状が改善してくる人がほとんどです。3か月程度治療を行っても改善が見られない場合、ほかの治療を検討します。

副作用

ホルモン補充療法を行うと、「乳がん」や「子宮体がん」を発症する危険性が高まると考えられてきました。しかし、ホルモン補充療法を行う期間が5年未満であれば、乳がんの発症率にはほとんど差がないことが分かっています。また、子宮体がんの発症は、プロゲステロンの併用によって防ぐことができます。

ホルモン補充療法の注意点

ホルモン補充療法は人によっては受けられないこともあります。

乳がんや子宮体がん、「心筋梗塞」や「脳梗塞」、「静脈血栓症」などの病気を発症したことがある人や、治療中の人は、ホルモン補充療法を受けることはできません。このような場合、漢方薬や抗うつ薬などで治療を行います。

「卵巣がん」を発症したことのある人、「子宮内膜症」「子宮筋腫」「胆石」がある人などは、薬の量を減らすなど注意しながら治療をすすめます。

生活習慣の改善

減少したエストロゲンは、やがてほとんど分泌されなくなり、少ない状態が生涯続きます。女性の体は更年期を境に大きく変化するため、この時期に食事や運動などの生活習慣を改善し、自分自身や家族について見直すことは重要です。

食事

食事の基本はいろいろな食品からバランスよく栄養素をとることです。

特に、大豆に多く含まれる「イソフラボン」を積極的にとりましょう。イソフラボンには、エストロゲンに似た作用が少しあるため、更年期障害の症状を緩和する働きがあるとされています。また、骨粗鬆症の予防にも有効とされています。食事からの摂取量は1に30~40mgが目安です。

お酒は、適量にとどめることが大切です。また、休刊日も設けるようにしましょう。

たばこにはエストロゲンの分泌を抑える作用があり、癌などの多くの病気の原因にもなります。禁煙が鉄則です。

運動

更年期以降は「肥満」が起こりやすくなります。肥満は更年期障害の症状を悪化させるため、運動を行いましょう。運動には血行を良くする効果もあり、更年期障害によって起こる「肩こり」などの改善にも有効です。ただし、激しい運動を行う必要はありません。軽く汗ばむ程度の運動を継続して行いましょう。買い物のついでにウォーキングをするなど、できれば週3回程度運動をするのが良いでしょう。

心のケア

更年期を乗り切るためには、心の不安を取り除くことが大切です。更年期はずっと続くわけではありません。更年期を「人生を見直す良い機会」と考え、気持ちを切り替えてみましょう。

例えば、これまでの「誰かのため」の生活から「自分のため」に行動してみるのもよいでしょう。何もかも一人でしょい込もうとせず、家族にかじを頼んだり、ほかの人に任せることも大切です。

同じ悩みを持つ友人や更年期を経験した先輩などに話してみることもおすすめです。共感しあい、話を聴いてもらえるだけでも安心感が得られ、心が癒されます。

家族とコミュニケーションをとることも必要です。特に、夫とのコミュニケーションは重要です。夫に更年期について知ってもらい、一緒に乗りきるようにしましょう。

鍼灸治療

更年期障害のつらい時期は鍼灸治療を利用して乗り切りましょう。更年期の時期は急に体のホルモンバランスが崩れて、それによりさまざまな症状が現れます。しかし、数年すればそのホルモンバランスに体は慣れてきて、症状も落ち着いてきます。鍼灸治療には体に現れた症状を治療できるツボがありますので、患者さんの症状に合わせて適切なツボを使い治療を行っていきます。

ホットフラッシュやのぼせ、ほてりなどには脚のツボを使用するのが良いでしょう。のぼせやほてりなどは東洋医学では、「気」が体の上の方にたまってしまっている状態と考えるため、気を下に下げる働きのあるツボを使用します。脚の内側にある「三陰交」や足首にある「中封」などが良いでしょう。冷えがある場合には、これらのツボに灸を行うこともあります。

更年期障害・百会・内関・三陰交・中封

動悸や息切れなどといった症状には胸の中央にある「膻中」がよく効きます。ここには浅く鍼を刺して10分ほど置いておく置鍼を行います。イライラや不安感、憂うつ感があるときにも効果があります。手首の内側にある「内関」を使うこともあります。

そのほか、頭痛やめまい、吐き気などがあるときには頭のてっぺんにある「百会」や目尻の後方にある「瞳子髎」などに置鍼を行います。

肩凝りや腰痛、手足の痛みなどがあるのであれば、それらの治療も同時に行うことで、少しでも体が楽な状態を作りだすことが何よりも大切になります。

また、更年期障害は女性に多い病気ですが、男性にないわけではありません。女性と同様の年代になるとホルモンバランスに変化が現れ、さまざまな症状が出てきます。男性の更年期障害にも鍼灸治療は有効ですので、治療を受けるようにしましょう。

症例

50歳代・女性

もともと鍼灸治療を以前から受けていた患者さん。最近になってのぼせなどが出てきていたのですが、ついにホットフラッシュなども現れるようになりました。それまでの治療に合わせて更年期障害の治療もおこなうことにします。

一番気になる症状はホットフラッシュだと言います。のぼせもなんとかしたいとおっしゃいました。

触診して体の状態を診ると、のぼせるという訴えとは逆に体の中のほうは冷たく冷えている状態になっていました。そこで、この冷えをとるために脚の三陰交というツボに灸頭鍼を行いました。

灸頭鍼はツボに鍼を刺した状態で、鍼の上にもぐさを付けて温めるお灸の方法です。のぼせを訴えている患者さんでも足を温めることで、頭がのぼせてボーっとする症状が改善されることはよく見られます。また、三陰交は婦人科疾患全般によく用いられるツボで、それ自体が更年期障害に効果があります。

この灸頭鍼を加えて、肩や腰の凝りなどをしっかり取る治療を継続して行っていると、ホットフラッシュはたまに起きる程度にまで治まるようになりました。そして、数年後にはホットフラッシュやのぼせは現れなくなりました。

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