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腰の痛みふたば鍼灸院(大阪市の鍼灸院)

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腰に痛みを感じたことがある人は多いと思います。何となく腰がだるくてしんどいということもあれば、強烈な痛みによって動けないときもあれば、動くと痛みが出ることもあります。腰の痛みといっても一概に同じものではなく、それぞれに原因があります。患者さんの状態によって、原因を見極め適切に治療を行っていく必要があります。

腰の構造

体の中心にある「脊柱(背骨)」は「椎骨」という骨が積み重なってできており、下部の5つの椎骨を「腰椎」といいます。この腰椎の付近が、腰に当たります。椎骨と椎骨の間には「椎間板」があり、衝撃を吸収する役割を果たしています。

脊柱の中には「脊柱管」と呼ばれる筒状の空間があり、そこを「脊髄」が通っています。脊髄は腰から下で枝分かれして、神経の束である「馬尾」となって、さらに「神経根」に枝分かれして脚まで伸びています(これを坐骨神経といいます)。

何らかの原因で馬尾や神経根が刺激されると、腰の痛みや脚のしびれなどが起こります。臓器の病気が関係して腰の痛みが起こることもあります。

腰椎の構造

腰の痛みの原因

腰痛は原因によって大きく3つに分けられます。

・骨や筋肉、椎間板などの障害が原因の腰痛…「椎間板ヘルニア」「脊柱管狭窄症」など、椎間板や骨に関わる病気は腰痛の原因となります。もっとも多いのは筋肉の疲労などによる「筋膜性腰痛症」です。

・臓器や血管の病気が原因の腰痛…主に腹部の臓器や組織、血管の病気で腰痛が起こることがあります。

・心因性の腰痛…ストレスなどが原因で起こる心因性の腰痛もよく見られます。

椎間板の障害

腰痛の原因の一つとして、椎間板の障害があります。激しい運動をしたり、腰に負担のかかりやすい動作をすると、椎間板には強い圧力がかかります。椎間板は、20歳代から老化を始めるため、若い年代で発症することも少なくありません。

椎間板症

椎間板の中心には「髄核」というゼリー状の組織があり、その周囲を「線維輪」が取り囲んでいます。

加齢などに伴って髄核の水分が減って椎間板が変形し、弾力性が低下すると、線維輪に亀裂が入ったり、つぶれたりすることがあります。すると、椎間板が不安定な状態になり、痛みが生じます。これを「椎間板症」といいます。

立つときや寝返りを打つときなどの動作時に腰に鈍痛が起こり、動いているうちに痛みが少し和らぐのが特徴です。

椎間板ヘルニア

椎間板に強い圧力がかかるなどして、線維輪に亀裂が入り、髄核や線維輪が飛び出した状態です。問いだした椎間板線維(ヘルニア)が神経根や馬尾を刺激して、痛みなどが生じます。

前傾姿勢で重たいものをもったり、急に振り返ったりする動作などをきっかけに発症することがあります。急性の腰痛に続いて、お尻から下肢にかけての痛み痺れ(坐骨神経痛)が現れたり、脚の筋力の低下や、感覚が鈍くなる「麻痺」が起こったりすることもあります。

ヘルニアが大きい場合には、「尿が出にくい」などの「排泄障害」が生じることもあります。

腰椎のヘルニア

脊柱管狭窄症

加齢などによって腰痛や靭帯などに変形が生じると、脊柱管が狭くなります。このたえ、神経が圧迫されて、腰痛や脚のしびれなどが起こるのが、脊柱管狭窄症です。高齢者によく見られます。

脊柱管狭窄症がある場合、歩いていると脊柱管の中の神経が圧迫され、足がしびれたり痛んだりして歩けなくなります。しかし、しばらく休むとまた歩けるようになります。これを「間欠跛行」といい、脊柱管狭窄症に特徴的な症状です。

また、圧迫されているのが馬尾なのか神経根なのかによって、症状の現れ方が異なります。

検査と診断

腰痛を放置すると、痛みのために運動ができなくなり、「肥満」や「生活習慣病」を招いてい、生活の質が低下しやすくなります。腰痛が続く場合は、医療機関を受診して検査を受けましょう。

・問診…患者さんからの腰痛の起こり方を具体的に聴くことで、原因を推測することができるため、問診は診断のためにもっとも重要となります。

・理学的検査…自然に立った時などの姿勢を診たり、背骨の様子、歩行の状態、痛みの出方や神経、感覚の症状などを調べたりします。

・画像検査…まず、「エックス線撮影」で骨の状態を調べます。脚にしびれがある場合や腰痛を繰り返す場合、腫瘍や感染が疑われる場合は、「MRI(磁気共鳴画像)検査」などでさらに詳しく調べます。筋肉や椎間板、神経の状態もわかります。

保存療法

治療ではまず「保存療法」を行うのが一般的です。椎間板の障害がある場合、約8割は保存療法で痛みが改善します。脊柱管狭窄症の場合、狭窄が軽度から中等度の神経根型の人に特に有効です。

椎間板ヘルにはは、3~6か月ほどたつと、飛び出した髄核や線維輪が自然に吸収されて消滅することも多いため、3~6か月間は保存療法で様子をみます。

・薬物療法…痛みに対しては「非ステロイド抗炎症薬」を内服か外用で用います。脊柱管狭窄症による間欠跛行は、神経の血流を促すと改善することから「プロスタグランジン製剤」などの「循環障害改善薬」を用います。

・神経ブロック…局所麻酔薬やステロイド薬を脊柱管に注射する「硬膜外ブロック」や、神経根に注射する「神経根ブロック」などがあります。

・理学療法…「装具療法」や「温熱療法」、「牽引療法」などがあります。

・体操療法…腰への負担を減らすために、腹筋や背筋など、コシの周囲の筋肉を鍛えます。

手術療法

保存療法を行っても効果がないときや、排泄障害が起きている時、坐骨神経痛がひどいとき、麻痺が進行している時、再発を繰り返すときなどには、手術療法を検討します。

これらに当てはまらなくても、患者さんが活動性の高い生活を望む場合には、手術を検討することがあります。

椎間板の障害の手術

椎間板ヘルニアの手術でもっともよくおこなわれているのは「後方椎間板切除術」です。この手術には、直に目で見ながら行う「直視下手術」のほか、顕微鏡や内視鏡で患部を見ながら行う方法もあり、直視下手術に比べて切開部を小さくできます。

手術を受けた患者さんの8~9割は症状が改善されます。また、再発率は5~10%といわれています。

脊柱管狭窄症の手術

神経根や馬尾が圧迫されている部分の骨を取り除く「除圧術」が行われます。主に「開窓術」と「椎弓切除術」の2つの方法があります。

間欠跛行の改善効果が高く、生活の質も向上します。ただし、長年の圧迫により神経が傷ついていると、しびれや痛みが完全に取れないこともあります。

手術の合併症

神経の合併症として、「神経の障害」や、神経を包む「硬膜の損傷」、「術後の出血」「感染」「深部静脈血栓症」などが起こることもまれにあります。

脊柱管狭窄症の手術では、一部の筋肉をはがして行うため、術後に腰の痛みが出ることもありますが、その場合は薬を使って症状を和らげます。

手術を受けるかどうかは、効果だけではなく、リスクについてもしっかりと理解したうえで行うようにしましょう。

リハビリテーション

手術で腰痛の原因を治療した後も、日常生活に戻るための治療が必要となります。そのためにリハビリテーションを行うことになります。

手術の前は痛みのためにあまり動けず、筋力が低下している人も多く、さらに、入院中に寝たままの状態を続けていると、筋肉の量が減り、心肺機能は低下してしまいます。

そのため、、手術後はリハビリテーションを行い、体の機能を回復させます。手術の1~3日後から開始します。

ベッド上で体を起こし、ベッドに腰掛けることから始め、立てるようになったら、歩行訓練を行います。脚の筋肉を鍛えるための運動も始めます。

退院後も、体操やウォーキングを続けましょう。身の回りのことを自分ですることも、よいリハビリテーションになります。腰に負担の少ない姿勢や動作を心がけることも大切です。

鍼灸治療

腰痛に対しては鍼灸治療は非常に高い効果を発揮します。急に痛みが現れるぎっくり腰から、ずっと続くという慢性の腰痛、また、寝たきりなどによって起こる腰痛にも効果があります。

腰痛の患者さんを診る際に注意が必要なのが、「鍼灸治療の適応疾患であるかどうか」というところもきちんと見ておかなければなりません。「これはすぐに病院を受診して検査を受けなければならない」と判断した場合は、紹介状を書き病院へと送ることもあります。腰痛の患者さんが実は、内臓のがんが原因で腰に痛みが現れていた、というケースもあるため、紹介状を書いた場合にはすぐに検査を受けるようにお願いしています。

内臓疾患が疑われるものや、夜寝ている間も痛みがきついという夜間痛がある場合、排尿障害などが起こっている腰痛には注意が必要です。それ以外の腰痛は鍼灸治療の適応となります。

治療の際はまず問診を細かくとっていきます。いつから、どこが、どのように痛むのかや、何をしたときに痛みが強くなる、あるいは軽くなるかなどを聴いていきます。問診のあとには、理学的検査も行います。

余談ですが、「坐骨神経痛」という言葉には注意が必要です。「私は坐骨神経痛なんです。治療してください」と言って来院されるかたも、たまにおられるのですが、調べてみると坐骨神経痛ではないということがかなりあります。

これは病院などで専門的な小難しい病名を使わずに腰から足にかけての痛みを説明する際に「坐骨神経痛」ということがあったり、患者さん自身がそう思い込んでいることから起こるものです。そのため、坐骨神経痛だからと言って来院された場合でも問診や検査は必ず行います。

腰痛治療では「現在痛みがあるところ」と「原因となっているところ」へ鍼や灸を行います。例えば、脚に痛みが出ており、腰椎の変形が見られるという場合であっても、腰だけに鍼をするのではなく脚の痛みが出ているところへ対しても鍼や灸を行います。そのほうが症状は早く改善します。

腰に鍼や灸を行い、緊張した筋肉を緩めて血流をよくすることで痛みを改善し、動きやすくしていきます。しかし、ぎっくり腰になった直後では、腰に炎症が起こっている状態ですので灸を行わないことが多いです。

また、腰痛治療にはお腹へ治療を行うことも忘れてはいけません。腰が痛む場合には自然と、無意識に腹部も緊張してしまっているからです。腹部を緩めることによって腰の動きが改善し、痛みの軽減が見られます。

そのほか、痛み以外にも食欲や睡眠など、ほかの症状に対する治療が大切になります。体に現れている症状をとることで、自然治癒力が高まり、腰痛も早く改善されるからです。

鍼灸治療を行うと、治療直後から腰の痛みがマシになったとおっしゃられる方もおられます。しかし、再び日常生活で動いていると腰に負担がかかり痛みは出てきてしまいます。治療は継続して行っていけば、しだいに動いていても痛みが出にくくなってきます。可能ならば定期的に治療を受けるのが良いでしょう。

症例

60歳代・男性

昔からの腰痛持ちの患者さん。普段から腰に痛みは多少ありますが、たまにそれがひどくなってしまうことがあるといいます。

お仕事で座っている時間が長いのですが、たまに物を持ち運ぶということもあり、いつも腰の筋肉が張っています。

ある日、来院され、どうしたのかと尋ねると、前日の夜から急に痛みがきつくなったそうです。問診をとり検査を行ったところ、ぎっくり腰で動けないというほどでもなく、痛みはあるが動くことができるという状態でした。また、朝起きたときが一番痛かったのですが、少し動いていると多少マシになったように思うといいます。

このように朝に痛みがきつく、動き始めるとマシになるというのは筋肉に原因があることが多いです。夜中寝ている間に固まってしまった筋肉が、動き出して少しほぐれることで痛みがマシになるというケースです。

痛む場所を聴いて、触診してみると、腰の右側の腰方形筋の緊張が強くなっていました。そのため、この筋肉を緩ませるように「腎兪」や「志室」などに鍼を行います。また、腰や肩に対して灸頭鍼を行い、広い範囲で体を温めることにしました。さらに、腹部や手足にも鍼をします。

腰痛・腎兪・志室

治療を終え、一度ベッドに座ったり、立ったり、腰をひねったりと動いて体の様子を見てもらいました。すると、治療前とは格段に痛みがマシで動きやすくなっているとおっしゃっておられました。

腰方形筋は骨盤から腰椎についている筋肉ですが、うつぶせの時よりも横向きになった姿勢で鍼をすると筋肉が緩ませやすいです。今回もこれでしっかりと筋肉が緩んだことで即座に治療効果が現れたという印象を受けました。日常生活では長時間座りっぱなしではなく、たまに立って体を動かすようにというアドバイスを行いました。

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