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COPDふたば鍼灸院(大阪市の鍼灸院)

慢性閉塞性肺疾患

COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは、主にたばこの煙が原因で肺に炎症が起こり、肺の中の空気の流れが悪くなる病気です。

喫煙歴のある40歳以上の人で、次のような症状が見られたら注意が必要です。

・咳や痰が毎日続く…毎日、何回も咳が出るのは、COPDの初期の症状と考えられます。一般的には単を伴いますが、伴わない空咳の場合もあります。また、咳とともに黄色い痰がでるようになるのは、感染が加わっている兆候です。

・息切れ…同世代の人と並んで歩いていたり、一緒に階段を上り下りするときに、人より早く息切れするような場合はCOPDが疑われます。

COPDの症状

COPDの症状

進行すると、次のような症状が現れます。

・呼吸困難…慢性的に息切れして、速く歩いたり、荷物を持って歩くのが困難になります。病状が進行すると、着替えや洗面などの日常の動作時や、安静時にも呼吸困難を感じるようになります。また、風邪やインフルエンザなどが引き金になって、呼吸困難の症状が急激に悪化すると、命に係わる場合もあります。

・筋肉の委縮や体重減少…体を動かすといきぐるしくなるため、進行するにつれて運動不足になっていきます。そのため、全身の筋肉が萎縮する傾向が見られます。また、呼吸が苦しいために食欲も減退し、やせてくる傾向も見られます。するとそのために筋肉量が減り、さらに筋力が低下します。

病態

肺胞や気管支の炎症

肺胞は気管支の先端にある小さな袋状の組織で、呼吸に置いて、酸素と二酸化炭素を交換する働きをしています(ガス交換)。肺胞に炎症が起こると、肺胞の壁が破壊されてガス交換が十分に行われなくなるので、酸素不足の状態になります。また、空気の通り道である機関誌に炎症が起こると、気管支が狭くなって空気の流れが悪くなります。

COPDは肺胞の炎症と細い気管支などの炎症が同時に起こって症状が出ると考えられています。

COPD

喫煙が最大の危険因子

肺胞や気管支に炎症を起こす危険因子のトップに上げられるのがたばこの煙です。COPDの患者さんの約95%が喫煙歴のある人で、受動喫煙によるたばこの煙も危険因子となります。また大気汚染、空気中の粉じんなども気管支や肺胞に炎症を起こすと考えられています。

全身の病気と関連

COPDの患者さんは、気胸、肺がんなど呼吸器の病気だけでなく、ほかの全身の病気を合併することが多く、これらがそれぞれの病状に影響を与え合うことが分かっています。

COPDは長期にわたる喫煙歴がある中・高年者に多く発症します。喫煙は動脈硬化を促進させるため、脳卒中、心筋梗塞、高血圧などの合併が多く見られます。また、「糖尿病、脂質異常症があると、これら併発症も重症化しやすい」「骨粗鬆症が早い時期に起こり、速く進行する」「行動が制限されるストレスからうつ状態になりやすい」なども報告されています。そのため、COPDは全身の病気ととらえられて対処する必要があります。

検査と診断

疑われる症状があったら、早めに検査を受けましょう。かかりつけ医に相談して、専門的な医療機関の紹介を受け、検査を行い診断が確定したら治療を行います。

肺機能検査で診断

医療機関では、「スパイロメーター」という器具を使って肺機能検査を行います。スパイロメーターで肺活量と、最初の1秒間に吐きだせる空気の量(1秒量)を測定します。1秒量を肺活量で割った数値を1秒率といいますが、1秒率が70%未満の場合、COPDと診断されます。

その後、エックス線撮影などで間質性肺炎などがないことを確認し、確定診断が行われます。

西洋医学的治療

COPDで一度壊れた肺胞を元に戻すことはできません。しかし、薬物療法や呼吸リハビリテーションで呼吸機能を維持したり、息切れの症状を緩和することができます。

禁煙や栄養療法、運動療法などの呼吸リハビリテーションは、医療チームの指導を受けて患者さん自身が行うことになります。

禁煙

COPDと診断されたら喫煙者はまず禁煙することが治療の第一歩になります。喫煙は症状を悪化させるので、節煙では効果がなく、完全に禁煙する必要があります。なかなか禁煙ができない場合は、ニコチンガムやニコチンパッチなどを利用して禁煙に取り組みます。最近は禁煙外来では経口薬バレクリンが広く使われるようになっています。禁煙開始予定日の1週間前から服用して、12週間で禁煙を達成します。

呼吸リハビリテーション

呼吸リハビリテーションは呼吸機能を回復、または維持させて日常生活を良好な状態に保つために行われます。呼吸リハビリテーションには、次のようなものがあります。

・呼吸理学療法…COPDでは、肺にたまった空気をうまく吐き出せなくなり、呼吸が苦しいという症状が現れます。そこで「吸う」よりも「吐く」方に時間をかけて、ゆっくりと息を吐ききる呼吸法を習得して、日常の呼吸が楽にできるようにします。痰の出し方の指導も行われます。

・運動療法…息苦しさのために運動不足になると、体力が落ち、寝たきりにつながる恐れもあります。患者さんの状態に合わせた運動プログラムが組まれますが、家庭でも硬くなった筋肉をほぐすために、軽い運動を毎日行うようにします。安全で、継続でき、楽しみながらできる、自分に合った運度を続けましょう。

・栄養療法…太りすぎると呼吸に負担がかかりますが、やせすぎると筋力が低下したり感染症が起こりやすくなります。特に進行したCOPDの患者さんは体重が低下しがちなので、高エネルギー食品や良質のたんぱく質をしっかりと取って、標準体重の維持に努めることが大切です。

ワクチン接種など

インフルエンザワクチンの接種でインフルエンザの重症化を防ぐと、COPDの患者さんの死亡率の半減につながることが分かっています。すべての患者さんに接種がすすめられます。また、肺炎球菌による肺炎を予防するために、65歳以上の患者さんや、65歳未満でも症状の重い患者さんには肺炎球菌ワクチンの接種がすすめられます。

急激な悪化を防ぐには普段から十分な睡眠をとり、部屋の換気をよくして、室内の空気を清潔に保つことなども必要です。

薬物療法

症状を軽減して生活の質を改善したり、悪化を予防するために薬物療法がおこなわれます。

使われる薬剤は、気管支拡張薬である長時間作用性の「抗コリン薬」に加え、長時間作用性の「β2刺激薬」の吸入薬です。これらに加え、短時間作用性(2~3時間)の吸入薬を必要に応じて使用します。息苦しさが改善されない場合は、飲み薬の気管支拡張薬の「テオフィリン薬」を追加します。

また、喘息が合併したり、症状が重くなったり症状が急激に強くなるのを繰り返すような場合は、炎症を抑えるために吸入用ステロイド配合薬を追加します。

その他の治療法

安静時に低酸素血症が合ったり、運動時低酸素血症、睡眠時低酸素血症が起こった場合には、「酸素療法」を行います。また、薬物療法や呼吸リハビリテーションで症状が改善されない場合、手術によって気腫部を切除することもあります。

鍼灸治療

鍼灸治療でのCOPDの治療は「症状を抑える」「悪化を防ぐ」「体全体を治療する」ということを目指します。

COPDの症状の中でも「毎日咳が出る」というのはつらい症状に当たります。咳が出ること自体もそうですが、咳をするというのは思った以上に体力を消耗してしまいます。それによって疲れた状態が続き、動く気がしなくなってしまい、さらに体力や筋力の低下を招いてしまいます。

咳がひどいときには胸部へ鍼を行います。肋骨と肋骨の間を触り、圧痛点などがあるところへと鍼をします。胸部への鍼は、深く刺すと肺に当たって気胸を起こしてしまいますので、皮膚に沿わすように横向きに鍼を刺すようにしています。こうすると気胸を起こす心配はありません。胸への鍼を行うと「スッと楽になる」とおっしゃられる方もいます。

また、それ以外でも咳や痰に効くツボがありますので使用していきます。肘のしわの上にある「尺沢」や足の脛にある「豊隆」、のど仏の外方にある「人迎」などがよく効きます。また、背中のツボもよく使用します。特に肩甲骨が動きやすくなれば呼吸筋をよりうまく使うことができて、呼吸がしやすくなります。肩甲骨の中心にある「天宗」や肩甲間部にある「心兪」などを用います。

症状を抑え、さらに悪化を防ぐには灸がよく効きます。上記のツボなどに小さくちぎったもぐさでお灸を行います。小さな灸ですので、お灸の煙で咳き込むことは少ないです。

さらに、全身に対しての治療も必要です。COPDの患者さんはさまざまな病気や症状を持っていますので、それらも合わせて治療を行っていきます。人間の体はどこか一つでも調子が悪いと、ほかの部分に負担がかかり、さらにそこも悪くなってしまうからです。腰痛や肩こりなどのほか、食欲がないときや夜よく眠れないなどといった症状も鍼灸治療はよく効きます。体のむくみなどもとることが大切です。

症例

80歳代・女性

COPDの患者さん。現在は体力が落ちてあまり外出できない状態です。往診で治療を行うことになりました。

咳が出るのはいつものことで、寝ている時間が多いため腰が痛く、肩もずっと凝っているといいます。また、便通もあまり出ておらず便秘で、常に便秘薬で出しているような状態だと言います。そのほか、食欲もあまりないとおっしゃられました。

問診の後に腹診や脈診を行い、とにかく少しでも体の症状をとって「マシな状態」を作り出す必要があると考えて治療を始めます。

お腹や手足に対して鍼をしばらく刺した状態にする置鍼を行います。胸部では「兪府」に圧痛が見られたので、鍼を横刺します。また、灸点紙を貼りその上からお灸をすえていきました。背中でも「肩井」や「心兪」「腎兪」などに灸を行います。また、夜よく眠れるようにかかとの真ん中にある「失眠」に対してもお灸を行います。ここは熱く感じるまでお灸をすえることで不眠を改善してくれます。

兪府

そして、肩や腰などにも鍼を行いました。

治療を行うと胸がスッとして、息が楽にできるとおっしゃっていただけました。その後も、継続的に治療を行っています。

また、COPDの患者さんは風邪を引くとその後調子を落とすことが多いので、腹診や脈診で風邪をひきかけているかなと感じたときには、肩甲間部にある「風門」「身柱」に対してお灸を行い、風邪を未然に防ぐようにしています。

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